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入学してから初めてのテスト週間がやってきた。

部活も休みに入る。

テスト範囲はまだそんなに広くないし、勉強をしてみても思ったより時間が余る。

机に向かっても、なんだか手持ち無沙汰で、ついスマホが気になってしまう。

副部長との会話を思い出した。

――「俺、行きたい大学があるんだよね。その学校の指定校推薦が受けたいんだけど

成績が足りないかもしれない。」――

指定校推薦って、やっぱり成績が大事ってことなんだろうな。

もっと色々と聞いておけばよかった。

今さらになって、すごく気になってきた。

――「あなた、頭が悪そうだね。」――

果穂の言葉も思い出しちゃった。

もうちょっとだけ勉強しておこうかな。

果穂に頭悪いと思われたままなのは、悔しいから。

やっと最後の教科のテストが終わる。

テスト期間が終わると、開放感いっぱいで浮かれる。

中学の時から、こういうところは全然変わってない。

果穂が振り返って、わたしと咲良を誘う。

「隣町にハンバーガー食べに行こ?」

「いいよ。」

「いいよ。」

店内は同じ学校の生徒で満席だった。

テストが終わったら、このハンバーガーショップに集まるのがわたしたちの学校の恒例らしい。

レジには、テストが終わってすぐバイトに入ってる隣のクラスの女子。

「果穂と咲良って、入学してすぐのテストの順位はどうだったの?」

「わたしは、7位だったよ。」

さすが果穂。

今は三つ編みおさげはしていないけど、田舎の中学生だっただけあって、成績がいい。

「わたしは、26位。」

「え?」

「そうなの?」

咲良の成績が意外で、思わず声が出ちゃう。

「杉ちゃんから副級長も任されてたよ?」

「そんなに真面目そうなのに?」

「うるさい。」

ギャップがありすぎて、3人で笑ってた。

「あ、わたしは12位だったよ。」

ハンバーガーにポテトフライのセット。

話しに夢中になって、ポテトフライは揚げたてが美味しいのに、もう冷めてきてる。

「池内先輩と連絡先を交換したんだよ。」

果穂からいきなりの報告。

「そうだったの?付き合ってるの?」

「ううん、たまに電話で話したりするくらい。」

そんな雰囲気じゃないとか言ってたのに、その後すぐにふたりは付き合うことになった。

副部長と池内先輩は仲が良い。きっと池内先輩と果穂のことは聞いてるはずだよね。

副部長は、果穂といつも一緒にいるわたしのこと、どう思ってるんだろう。

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